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#101 Harajuku Homes, 2-30-28 Jingumae
Tokyo

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Exhibitions

 




UPCOMING EXHIBITION

 

Gallery show


2025年9月5日(金) - 10月19日(日) 

* 本展会期中は、金曜日、土曜日、日曜日のみ開廊いたします。
ご来廊の際はお気をつけください。


 

 

加留多 / Karuta, 1986
Ceramic
Photography: Koji Honda

 
 

Gallery 38では、植松永次の個展「芽の出るところ」を開催いたします。

1949年に兵庫に生まれた植松は、1970年初頭より様々な土の性質を理解するためにレリーフ制作から始め、その後も拠点を変えながら約53年にわたり土との対話を通じて作品を生み出してきました。現在は三重県伊賀市で制作を続けています。制作について植松は「表現する前に、まず土と向き合う時間がある」と語ります。土そのものが持つ力に耳を傾けながら、伊賀の四季の移ろいとともに手を動かす日々を重ねています。

展覧会タイトル「芽の出るところ」は、本展で展示される植松の作品名から採用しました。ギャラリーが開廊10年目を迎えるこの秋、土の中で静かに生命が芽吹く瞬間を示すこのタイトルは、植松が見つめ続けてきた自然の営みと、ギャラリーとアーティストが積み重ねてきた時間の両方を象徴しています。

植松の作品には、流動する泥の軌跡、焼成によって刻まれた亀裂や歪み、素材が本来持つ質感が色濃く残されています。技法や概念に縛られることなく、土が語りかけてくるものに応答するーそうした制作姿勢が作品に宿っています。植松は「自分の表現を見せるより、土が持っている美しさ、自然の中にある本質的なものに目を向けてほしい」と言います。私たちが日常で見落としている風景の価値や、途方もなく長い時間の流れを、植松は土の中から掬い上げた形を通じて差し出してくれるのです。
都市で暮らす私たちは、土に触れる機会をほとんど失っています。夜空を見上げても星は見えず、季節の変化さえ感じにくくなっています。近年、植松の作品が私たちの心に深く響くのは、こうした現代の生活環境と無関係ではないでしょう。月、星、土、火 ̶ 植松が繰り返し口にする、人智を超えた自然の存在。それらと対照的に、私たちの日常はめまぐるしいスピードで変化し、自然との距離はますます開いていきます。効率と速度が支配する日々の中で、何か大切なものを見失っていないか。植松の作品は、そうした問いを静かに投げかけているように思えます。

自身の現在地を「ぼんやりと 散歩の途中です」と表現する植松。目的を定めず、ゆっくりと歩を進めるーこの姿勢こそ、今の私たちが取り戻すべきものかもしれません。月の光を感じること、足元の土の感触を確かめること、手で触れること。こうした素朴な行為が持つ力を、植松の作品は思い出させてくれます。

Gallery 38は、2016年の開廊から植松永次と歩みを共にし、国内外で植松の仕事を紹介する機会を重ねてきました。展覧会という場での出会いは一期一会であり、この空間で交わされる対話や生まれる関係性は、作家にとってもギャラリーにとっても、かけがえのない意味を持ち続けています。

土と誠実に向き合い続ける植松永次の仕事を、ぜひご覧ください。

作家略歴

1949 兵庫県神戸市生まれ
1972 土の質を確かめることからレリーフを創る。
1975 信楽に入り製陶工場勤務の傍ら自らの制作を続ける。
1982 伊賀市丸柱に住居と仕事場を移し、薪と灯油併用の窯を築く。野焼きも含め作品の巾が広がる。
1996 滋賀県立陶芸の森に招待され制作。
1980年代~ 個展・グループ展多数。


主な個展

2024 特集展示 植松永次―土と火(三重県立美術館柳原義達記念館)
おもちゃ箱(Trine Gallery、東京)
2022 星座(Gallery 38、東京)
春の土(思文閣、京都)
2020 土と火(兵庫陶芸美術館)
庭でみつけた流れ星(アートコートギャラリー、大阪)
散歩の途中(Gallery 38、東京)
2019 散歩の中で(ギャラリー佑英、大阪)
2018 SHISEIDO WINDOW GALLERY <土>の章 2018(SHISEIDO THE STORE、東京)
2016 兎のみた空(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、京都)
水の中は森の深さ(Gallery 38、東京)[’20]
2009 土・火―根源へ(小海町高原美術館、長野)
2007 植松永次 陶芸展 ―土の形―(伊丹市立工芸センター、兵庫)


主なグループ展

2022 ホモ・ファーベルの断片 ―人とものづくりの未来―(愛知県陶磁美術館)
2018 植松永次・松井紫朗(ACG Villa Kyoto、京都)
2016 革新の工芸 ―“伝統と前衛”、そして現代―(東京国立近代美術館工芸館、東京)
2015 第10回パラミタ陶芸大賞展(パラミタミュージアム、三重)
2010 BIWAKO BIENNALE 2010(滋賀)
1994 京都野外陶芸展 ’94(梅小路公園、京都)
1992 現代陶芸国際激請展(国立歴史博物館、台北)
1986 土・イメージと形体 1981-1985(西武ホール、滋賀/有楽町アート・フォーラム、東京)
第1回国際陶磁展美濃 ’86(岐阜)
セラミック アネックス シガラキ(信楽伝統産業会館/滋賀県立近代美術館ギャラリー、滋賀
[’87-’93]
1985 ’85 涸沼・土の光景(涸沼宮前荘、茨城)
1984 信楽展(信楽伝統産業会館、滋賀)
1981 Art Now Iga ’81(上野市中央公民館ホール/きの画廊、伊賀上野、三重)

 
 

展覧会詳細 :

植松. 永次
「 芽の出るところ 」

会期: 2025年10月5日(水) - 12月14日(日)
開廊時間: 12:00 - 19:00
休廊日: 月、火、祝日

⚫︎11月5日(水)、6日(木)は作家在廊予定 (時間未定)です。詳細はこちらにて告知いたします。
⚫︎11月7日(金) - 9日(日)はArt Week Tokyo 参加のため、10:00-19:00で開廊いたします。

 

 

PAST EXHIBITIONS